●「高血圧は塩分の摂りすぎ」のウソ?

http://blogs.yahoo.co.jp/yume_kokoro_mirai/36570010.html
骨髄造血説や細胞分裂説のほかにも、医学理論・常識の誤りは数え切れないほどあります。つぎに、それらがじっさいに医療現場で適用され、いかに馬鹿げた治療が行われているかいくつか例をあげます。医者の誤った知識が原因で、患者を死亡させてしまうケースは決して珍しくありません。
 

  • 「高血圧は塩分の摂りすぎ」のウソ

まず塩分のナトリウムは、体に不可欠のものです。栄養の吸収を助ける、細胞の形を正しく保つ、体液の量を調節する、腎臓で尿を作る、体の機能を統合・調整する神経系を正常に維持するなどの働きがあり、やみくもに減塩をしてナトリウムが不足すると、それらの働きに支障をきたすため、体力や免疫が低下し、健康を損ねるどころか大きな病気を誘発したり、命の危険にさらされることさえあるのです。
 
○×式の頭しかない医者は、高血圧の患者にたいしとにかく血圧を下げることだけにこだわります。多くのばあい減塩を指示しますが、患者がそれに従わなければ「降圧剤」を処方するでしょう。
 
このとき、ほとんどの医者が第一に選択するのが利尿剤です。その理由は、血圧が上がるのは血管を通る血液の量が多すぎるためで、手っ取り早く血圧を下げるには、体内の水分をできるだけ少なくして血液の量も減らせばいい。だから利尿剤で水分を多く出すという、短絡でその場限りの処置が取られるわけです。
 
その結果は案の定、血液の量は減っても水分はそれ以上に減るため、血液の濃度が高くなり血栓を起こしやすくなります。利尿剤の副作用に脳血栓が指摘されているのは、このような因果関係があるからです。
 
血圧が高くても、それが直接の原因で脳血栓を起こすことはほとんどありません。減塩や降圧剤などの処置はかえって危険であるばかりか、適切な処置でないことは明らかです。
 
塩分過剰が気になるなら、カリウムをほどよく補給することです。正確にいえばナトリウムとカリウムの比率を1対0.6にすれば理想的で、そうすれば安全に血圧が徐々に下がっていくでしょう。味噌汁の塩分は、ほうれん草などの野菜を少しくわえれば過剰になることはありません。
 
ナトリウムやカリウムは少々過剰に摂取しても、ふつうは適量だけが吸収されて、余分な量は腎臓から尿へ速やかに捨てられます。
 
医者は栄養学を勉強していませんが、この程度の知識はあると思います。ところが栄養指導だけで終われば、医療保険の点数はゼロになり医者は無報酬になります。好んでタダ働きする医者はいないわけで、こうした医者の処置は医者個人の問題というより、医療保険制度の欠陥に起因するのではないでしょうか。
 
医者が薬を出すしか能がないのは、現状では仕方がないのかもしれません。
高血圧の治療には利尿剤のほか、血管を収縮させる平滑筋の働きを支配する自律神経ブロッカーがあります。交感神経をブロックすれば血管の締め付けが緩み、血圧が下がるだろうという考えですが、交感神経は平滑筋だけを支配するのではありません。骨格筋もその支配をうけており、さらに脳への影響も考える必要があります。交感神経の働きが鈍るとうつ病を引き起こす危険があるからです。
 
最近では多くの医者がこのことを知るようになり、神経ブロッカーの代わりに比較的副作用が少ないカルシウム拮抗剤が使われているようです。しかしこれも血管を収縮させるカルシウムの作用を弱めるのが目的であり、問題は血圧に関係のある筋肉だけではなく、ほかの筋肉の収縮力も弱めてしまい、全身にさまざまな悪影響を与えることです(気力がなくなるなど)。
 
血管をしなやかにする安全な方法は、カルシウムの摂取量を適切に管理することです。厳密にいうなら、カルシウムとマグネシウムの比率が2対1であれば問題ないといえるでしょう。マグネシウムには動脈を弛緩させる作用があり、拮抗剤を使用しなくてもそれで血管の収縮を抑えることができるのです。またマグネシウムには、余分なナトリウムやカルシウムを細胞の外へ出したり、血管筋肉を緩める働きがあるため、高血圧だけではなく不整脈を予防する効果もあります。
 
しかしなんといっても、高血圧の最大の原因は血液の質そのものにあるのです。ということはつまり、血液がネバネバにならないよう日ごろから食事に気をつけることが大切なわけです。肉や卵などの動物性蛋白食品を多食すると血中のコレステロール、酸類、窒素化合物が増える―これは分子生物学や栄養学の常識です。したがって動物性蛋白食品を極力控えることが、高血圧予防の根本対策といえると思います。
 
話が脱線してしまいましたが、ではなぜ、これほど的外れな治療法が「医学常識」となってしまったのでしょうか。一つには「疫学」という学問に限界があるためです。疫学とは、伝染病の流行動態を研究する医学の一分野で、広義では、集団中に頻発する疾病の発生を生活環境との関係から考察することを意味します。
 
わかりやすくいえば、統計から病気の原因を考えるわけですが、じつはこのやり方には大きな盲点があります。ある病気が特定の地域やグループに多く発生しているからといって、そこに確実な因果関係があるとは限りません。このことについて、日本の「分子生物学」(「遺伝子生物学」ともいう)の創設者である故三石巌博士は著書でつぎのように述べておられます。
 
「たとえば1981年に、アメリカ政府は疫学の統計を根拠にして『エイズはホモセクシュアルの病気である』と発表した。エイズの分布がホモセクシュアルの人々に偏っていたためだ。しかし今では、エイズが誰でも感染しうる伝染病であり、ホモセクシュアルだけに特有の病気ではないことは誰もが知っている。これが疫学の持っている限界である。
 
統計的なデータというのは、見方によって引き出される結論が違ってくる。しかも研究者は統計から何らかの結論を引き出そうとする思いが強いため、自分の仮説を支えるような都合のいいデータだけを採用し、都合の悪いものを無視することが珍しくない。
 
したがって疫学調査だけで、病気の原因を確定することはできないのである。綿密な実験に基づく客観的な裏づけがなければ、仮説はどこまでいっても仮説でしかない」
 
高血圧に対する塩分過剰原因説は、高血圧が多いとされる東北地方のある県で、一人当たりの食塩摂取量が当時の栄養学者の一般的な常識である「一日10グラム以下」という基準を上回っていたため、ごく単純に食塩が犯人であると結論されてしまったのです。
 
しかしこのときの調査では、結論と矛盾する事実がたくさんありました。個別のデータに注目すると、食塩の摂取量が少ないのに血圧が高い人、摂取量が多いのに血圧が低い人などがいたのですが、そういった個人差や、同じ東北地方でもリンゴの生産地では高血圧は少なかったという事実は、研究者にとって都合が悪かったため、例外として切り捨てられたという事情があります。
 
 

  • 「血糖値を下げれば糖尿病は治る」のウソ

ものを食べれば血糖値があがるのは当たり前です。ただしそのとき、ブドウ糖が細胞のなかに取り込まれなければ、エネルギーとなって消費されず血中に留まったままになります。ブドウ糖が細胞に入るには、膵臓でつくられるインスリンというホルモンが必要です。
 
ところが生まれつきインスリンの分泌がよくない人、あるいはアルコールの飲みすぎなどで膵臓の機能が弱っている人がいます。こういう人はタイプⅠ型の糖尿病と判断されます。しかしタイプⅠ型は糖尿病患者全体の1割しかいません。残りの9割はタイプⅡ型で、このタイプの患者はインスリンにはまったく問題はありません。
 
タイプⅡ型はインスリン非依存型と呼ばれ、このタイプの患者の問題は肥満、運動不足、栄養素のアンバランスなどで、細胞膜のレセプターの感度が鈍くなっていることです。レセプターがうまく機能しないと、インスリンもブドウ糖も細胞のなかに入り込めません。
 
信じがたいことに、ほとんどの医者はこの程度の知識すらなく、「糖尿病」と聞けばただ画一的なマニュアルに従って、とにかく血糖値を下げることにしか頭が回らず、インスリンの投与だけですべてよしとする。じつはそういった処置がのちに深刻な事態をもたらす結果になるのです。
 
まずタイプⅠの患者に対しては、血糖値にぴったりの量のインスリンを投与しなければなりません。もし少しでも投与量が多いと、血中の糖が激減して昏睡状態を招く危険があるからです。
 
一方タイプⅡ型には、インスリン投与は問題を複雑にするだけで治療にはなりません。それどころかインスリンが逆に余ってしまい、肝臓へ運ばれて中性脂肪になります。中性脂肪が血中にたまるとコレステロール値が高くなり、体のあちこちの血管にヘドロ層をつくっていき、いずれ動脈硬化や眼底出血による失明、腎臓障害などの怖い合併症を引き起こすことになります。
 
糖尿病への最重要対策は合併症を起こさないことです。血糖値が高いと診断されても、それが直ちに深刻な事態を招くわけではありません。合併症は免疫やSODなど、活性酸素と闘う物質が不足すると起きやすくなります。したがって免疫が正常に機能し、抗酸化物質が体内に十分用意されていれば、合併症などというものは滅多に起こるものではありません。
 
そしてそういう物質を体内でつくるのが、カロチノイド、ポリフェノール、ビタミンCやEなど一般に「微量栄養素」と呼ばれているものです。野菜を十分食べることがいかに大切か、このことからもわかるわけです。