食事療法  結核は 肉、砂糖、魚のとりすぎ 

食事療法         結  核

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食療法

肺結核に対する食事療法は一言にすれば結核菌を食い殺してしまうような丈夫な体力に仕立てることであってヽ食事療法の原則はすべて守り、実行しなければならないことになる。

o避けなければならない食物
牛肉ヽ豚肉ヽ鶏肉、魚肉などは栄養食品として食べなければならないように考えられている・事実栄養食品には相違ないが、これらは何れも美味なものばかりだから、どうしても食べ過ぎに陥りがちである。このような酸性の食品を食べすぎると、血液そのものが酸性化しヽそれが結核寄の好餌となりヽいつまでたっても菌をぼくめつすることが出来ない。だから肉類、砂糖、動物性の脂肪類は遠ざけヽ他の蛋白食品から蛋白を摂るようにする方が安全で有効である。例えば大豆だとかヽ吉見を原料とした製品の豆腐から充分に摂取出来る。油もその通りで動物性の油よりも植物性の胡麻油や落花生油などから摂るのがよい。

o食べなければいけないもの
結核患者はカルシウムとビタミンを豊富に補結しなければならないが、それらは野菜、海草、果物類、骨のままで食べられる小魚から摂ることである。野菜や海草は植物油をいろいろに加えて調味したり、油揚げ類と甘煮をすれば、全然肉類などを食べなくとも充分の栄養が摂れるのであるから、肉や魚を最良の食品だと思う間違った観念を正してかからなければいけない。尚果物は皮そのものの中に大部分の栄養分が舎まれているのだから、皮のままで食べられるものを選びよく洗って皮もろとも食べた方が好い。

o食塩と砂糖
結核菌は塩分に対しては極めて抵抗力の弱いものであるから、毎日適当に塩分を補給することを忘れてはならない。塩分に富んだものを食べていると、菌は次第に病巣へ退却して活動力を失い、痰を検鏡してみてもしまいには菌を発見することが出来なくなる程である。だから副食物を作る場合には、田舎風に塩辛めに味をつけること、塩分を舎んでいるものを努めて食べるようにすることが肝要である。糖分は結核菌の大好物であるから、砂糖や糖分を使った菓子類、その他の甘味は出来る限りさけるべきである。
われわれの栄養に必要なだけの糖分はそれぞれの食品に舎まれている糖分と調味のために使われる砂糖とで充分である。従って特に甘味を摂ってみすみす結核菌を強めるような必要はない。

o特効ある食品
前途のようにカルシウムを充分に補給しなければいけないが、それがためには特にカルシウム剤の厄介にならなくとも、魚の骨や卵の殼には豊富に含まれているのであるから、それらを妙って粉末にし、振りかけにして食べるように工夫することである。尚カルシウムと共にビタミンAB1B2Cも欠くことのできないものである。

o特に効果のある食品

「にんにく」
にんにくは特別なにおいがするというので余り歓迎されないが、結核患者の体力を強めるには、実に絶好の食物であるから、においなどの贅沢をいってないで、いろいろに料理を工夫して食べることである。

「葱類」
ねぎは普通の葱にしろ、玉葱にしろ、にんにくにつぐ栄養と殺菌力とを特っているから、これ圭た生のままでも調理してでも、努めて食べなければいけない。

「人参」
人参は精気をつける栄養食品であるが、なるべく生のままを調理して食べるのがよい。最も簡単なのは人参卸しにして食べるのであるが、f」れは皮のまま卸すヴ」とである。人参と板昆布、大根、ごばう、小魚類を煮合わせたのも大いに摂ることである。

「山芋」
山芋は寝汗を訪ぎ、体に力をつけてくれるから、皮のまますり下ろしてト口口にしてもよく、また煮て食べてもよい。

「緑茶」
緑茶はアルカリ性食品であり、多量のビタミンCを含んでいるから愛用すべきである。

「なずな」
七草に使うなずな(ペンペン草)は本店に卓効があるから、生食、ひたし物、味噌汁の具などにして大いに食用することである。

「白菜茎」
白菜の茎を生のまま毎日食べるのもよい。鰻の黒焼とにんにくを炊って粉末としたものを混ぜて、これを常用していると滋養強壮の効果を現わす。結核の盗汗を防ぐには牡蛎の生きている身をとって、すぐ乾燥器などで乾かしたものを常用するとよい。蓮根の卸し汁盃一杯分へ梅酢を少
し加えて毎日飲む。