体温ってなあに?正しい体温の測り方

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テルモ株式会社 テルモ体温研究所所長 和田優子

体温とは?

体温とは、文字どおり、体の温度のことを意味しています。体の中心に近づくほど高くて、安定しています。
人の体は、場所によって温度が違います。手足の末梢や顔の表面の温度は、季節や環境の影響を受けやすいため安定していません (図1)(※1)。
一方、中枢(核心)と呼ばれている体の内部の温度は、脳や心臓などの大切な臓器の働きを保つために安定しています。この体の内部の温度を「中枢(核心)温」といい、これを測れば、安定した体温が得られます。しかし、体の内部なので、日常的に測ることは困難です。
そこで、より体内の温度が反映され、体に負担をかけずに簡単に検温できる部位として、ワキ(腋窩)、口(舌下)、耳(耳内)、直腸などの場所が用いられています。
測定する部位ごとに検温に必要な時間や方法は異なり、得られる温度も異なります。平熱も部位によって異なるため、それぞれの部位の平熱を知る必要があります。つまり耳には耳の、ワキにはワキの平熱があるので、あらかじめ知っておくことが大切なのです(※2)。
図1 体の内部の仮想温度分布と検温に必要な時間

正しい測り方って?

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