酵素、体温と代謝、免疫力、ホルモンバランス

 

生野菜や果物を取らないと酵素不足になり病気になる

 

体温が一度下がると、酵素の働きは五〇%も低下し、代謝、免疫力、ホルモンバランスなどが悪くなり、体調不良の原因になります。また、酵素が不足すると、血管の中に代謝されなかったものがたまってきて、血液がドロドロになり、流れが悪くなり、体温が下がります。低体温と酵素活性低下の悪あくじゅんかん循環になります。

栄養を取り入れて体を維持したり、薬や老廃物を排出するのが代謝です。この代謝の手助けをするのが酵素です。私たちの体の中で、絶えずさまざまな代謝(化学反応)が行なわれています。古いものを排出して、新しいものを取り入れる全身の六〇兆個の、細胞の代謝をつかさどっているのが酵素です。人間の体の中に約五〇〇〇種類の酵素があり、体内のほとんどすべての生命活動に関係しています。一生に作られる酵素の量には、限りがあります。野菜や果物を取らずに、加工食品を多く取る現代人は、酵素不足になっています。車は運転する人がいないと動きません。「車が栄養素」で「運転する人が酵素」です。つまり、現代人は、酵素が不足しているので、摂取した栄養をうまく利用できていません。

酵素には、消化酵素と代謝酵素の二つがあります。この二つの酵素が、人間の生命活動のすべてを、つかさどっています。食べた物を消化酵素で消化して、次に代謝酵素で、必要な物質につくり変えます。この二つの酵素が不足すれば、体を動かしたり、食物を消化したりするなどの、すべての生命活動がうまくいかなくなります。酵素は熱に弱く、五四度以上の熱を加えると死滅します。

現代人の食生活では、多くの食べ物が加熱処理されています。そのため摂取する栄養量に比べ、酵素が不足しており、体に代謝されない栄養がたまり、肥満などのメタボになり、多くの病気を引き起こします。

体温を上げ、免疫力を上げれば、健康を保てる

体温は、免疫力に大きな影響を与えます。低体温になると免疫力は、低下します。体温が一度下がると免疫力は三〇%下がります。

免疫力とは、「疫」から「免れる力」、すなわち、自分で自分を守るために、もともと人間が生まれながらに持っている力のことで、体内に入った細菌やウイルスなど(疫)から身を守る(免)力(生体防衛機能)です。

免疫の要となる血液中の白血球は、体温が上がることで活動力が高まります。免疫を担当する(有害物質を退治する)白血球には、リンパ球・顆粒球・単球などの種類があり、それらが外界から侵入した病原菌を退治することで、病気を防いだり回復したりします。免疫力が低下すると、細菌やウイルスなどの菌から体を守れなくなり、風邪やインフルエンザなどの病気にかかりやすくなります。また、がんやアレルギーなどの病気にもかかりやすくなります。免疫力は加齢とともに低下していきます。免疫力は十歳代がピークで、四十歳代で五〇%、七十歳代には一〇%以下になります。そのため、歳をとるにつれて、病気になりやすく、治りにくくなります。体温が一度上がると免疫力が五~六倍上がります。体温が上がると、酵素の働きや代謝が良くなり、血液の中の白血球の働きが活発になり、体の中に侵入した風邪やインフルエンザなどの菌を退治し、健康を保つことができます。