農作物が吸収するミネラルの量はキャベツの場合、1000㎡(10a)で外葉を含め 7tonの生産量があった場合、亜鉛で140gの吸収量があるとされています。これが100年ならば14kgになります、でもこの吸収量は平均値なのです。亜鉛の過剰症が発生しない上限は1000㎡で15kg(40ppm)だから過剰症の無い農地からは100年でほぼゼロなってしまいます。欠乏症の出る下限は1000㎡当り0.7㎏(2ppm)。しかし亜鉛を土に施した農家の人はどの位いるだろうか?硫酸亜鉛に換算しておよそ70kgなのですが・・・・。亜鉛だけでは有りません。Mn.B.Cu.Mo.Co.Se・・・等。
施さなかった場合はミネラルが毎年毎年農地から無くなっていくのです。
堆肥を入れた畑から採れた野菜は美味しいと言われます。それは堆肥に含まれるミネラル以上に微生物の働きによってミネラル吸収量が大きく増えるからなのです。でもやがて欠乏した土からは欠乏野菜しか採れなくなります。その土地で生産された落ち葉や草木を堆肥にしても微生物の餌には良いけれどミネラルが増えることはない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
今 日本では野菜の消費量が減り続けています。その原因の一つが体に欠乏しているミネラルが野菜にも少ない だから美味しくない、窒素が多くてまずい。野菜の消費量はアメリカ人より少なくなって300g/1日を下回っている。厚生労働省がいくら叫んでも減少に歯止めがかからない。EUなどの様に窒素肥料の使用制限をしなければならないだろうし、微量ミネラルの使用を奨励するべきでしょう。(有機農産物もミネラル補給のための化学肥料の使用が認められました’06/03/09)
最近の技術は植物の超微量ミネラルの分析によって生産地を特定する事が出来る様になってきている。今までの農業技術ではミネラルの過不足を埋めることが出来ていないのです。 それでなくとも微量ミネラルの吸収量に差が大きくて、食品成分分析表なるものが信頼できるのかどうかさえ疑わしいのである。。(食品成分分析表は日本各地で採れた物の平均値なのです) 例えばマンガンの吸収量の差は30倍モリブデンの吸収量の差は100倍(いずれも国産ねぎ)と言う結果もあります。
身土不二と言う言葉があますが、この言葉は二つの意味を持っているようです。
一つ目が土に不足するミネラルはそこで育った農産物を食べる人間にも不足となり よって土と身体とは不可分のものであると・・・。
二つ目がその地域に住む人はその地域の気候風土に合うように育った農産物を食べることによりその地域に合う身体を作ることが出来るし、そうするべきだと・・・・・・・・。 『身土不二』この言葉にはミネラルの過不足による風土病の解決になんの解決策をも示唆してはいない。
ミネラルだけを考えるとブロイラー鶏糞が最高のミネラルバランスと量があります。発酵鶏糞のほとんどがブロイラー由来のものです。 しかしこれも昔の堆肥とは違い危険です。(有機農産物の落とし穴のページをご覧ください)こんな堆肥を使うと数年も後まで取り返しがつかなくなります。
完熟堆肥が良い? 完熟堆肥は微生物が繁殖し栄養を分解した残り粕です。それが良いのは直ぐに作物に吸収されるからなのですがそれは水耕栽培で栄養をコントロールされているのと同じなのです。 微生物の多いミミズのいる畑は微生物の餌が多いのです。その餌は微生物が食い尽くした完熟堆肥ではありません。 微生物の餌を施して微生物を増やし生きた土を作るのです。
化学肥料が悪い? 堆肥中の有機酸が土壌中のミネラルを植物の吸収し易い状態にしてくれるのです。酸が塩基と結びつく事を化学反応と言います。出来た物を化学物質と言います。 『酢たまご』は酢酸と炭酸カルシュームが化学反応し酢酸カルシュームになったのですね。・・・この酢たまごとっても体に良いですよ、お試しあれ! もっとも胃酸(塩酸)と化合しても大きな違いは無いけど・・・。 有機農産物では酢とサンゴの粉末を混合して使う事を禁止しています。カルシューム欠乏に対する特効薬なのですし、いずれも有機農産物で使用できるのですが化学物質となるため禁止です。 化学物質も必要なのです。有機農産物でも微量ミネラルは化学物質での使用を認めたのです。
明治時代の商習慣 肥料と言えば過燐酸石灰・硫酸加里・塩化加里などが有りますがこの表示成分率はリンやカリウムの成分率ではありません、リンやカリウムの成分率はもっと低いのです。酸化物表示のため酸素を含んだ成分率になっています。 硫酸加里は純度は低いので成分率50%となっています。純度100%だとしてもK2/K2SO4から44%にしかならない 50%表示はおよそ40%しかない。リンに至っては表示の43%しかないことを知っておくべきである。 このことは 明治時代に成分が高い様に見せかけられた商習慣が残っているのです。 諸外国では原子量率で表示されているのに 農林省は一般的に酸化物率表示が使用されているとして改めようとはしません。
必須ミネラル16種
ナトリウム(Na) ナトリウムはカルシウムをはじめとするミネラルやタンパク質を血液に溶けやすくする働きがあります。ナトリウムは食塩から摂取されており、普通の食事をしていれば不足することはまずなく、むしろとりすぎの恐れがあります。ナトリウムの過剰摂取は高血圧の原因になり、悪くすると、脳卒中や動脈硬化、腎臓病などの病気になってしまいます。また、ナトリウムの多量摂取はカリウムの激減を招きます
マグネシウム(Mg) マグネシウムは心臓などの循環器系の健康を守り、骨や歯を丈夫にし、神経と筋肉を効果的に機能させます。酵素の働きも助けており、体のエネルギー代謝にも一役買っています。マグネシウムはカルシウムとのバランスが大事で、マグネシウム:カルシウム=1:2が好ましいです。マグネシウムが不足すると、細胞内にカルシウムが大量に入り込み、そのために筋肉の収縮がうまくいかずに力が入らなかったり、イライラや情緒不安定を引き起こしたりします。 マグネシウムの欠乏症は稀にしか見られないといわれていますが、アルコールを大量に飲む人はマグネシウム不足が起きるので注意が必要です。カルシウムとリンの摂取量が多い人、腎臓に障害のある人は多量のマグネシウムを長期間とりつづけると害が出ます。
リン (P) リンはカルシウムとともに骨や歯を丈夫にしています。また、糖質代謝を円滑にしたり、エネルギーを蓄えたり、ナイアシンの吸収を促して疲れを取り去ったりします。 リンは日常食品中に充分含まれているので不足することはまずありません。しかしビタミンDが不足するとリンの利用率が低下します。また、リンの摂取量が多すぎると、骨に貯蔵していたカルシウムの量が減少し、カルシウムの欠乏が起きるので、リンはカルシウムとバランスよくとることが大事です。 カルシウム:リン=1:1のバランスが好ましいです。
硫黄(S) 硫黄はビタミンB群といっしょに働いて、体の基本代謝に関わっており、その大部分がタンパク質やアミノ酸の構成要素となっています。硫黄は毛髪、皮膚、爪の健康に大事で、硫黄分を含む皮膚薬があります。また、脳が平常に機能するのに必要な酸素のバランスの維持を助けています。 タンパク質が十分にとれていれば、硫黄もきちんと摂れているでしょう。
塩素(Cl) このミネラルは、胃液の中で消化に働き、血液などの中では酸-アルカリバランスを調節する働きをします。また、肝臓の機能を助け、体内の老廃物の除去にも役立っています。食塩はナトリウムと塩素からできているので、食塩から塩素のほとんどが摂取できます。
カリウム(K) カリウムはナトリウムと一緒に働いて、体の水分バランスを調整し、心拍のリズムを正常に保ちます。カリウムはナトリウムとのバランスが大事で、ナトリウムを過剰に摂取したり、カリウムが不足したりすると、神経と筋肉の機能が損なわれ、心筋の働きが正常でなくなり、不整脈や心伝導障害を引き起こします。 カリウムは脳に酸素を送って思考を明晰にさせたり、アレルギーの治療に役立ったりしています。また、血圧を下げる、体内の老廃物の除去、などの働きを助けたりもしています。 お酒をたくさん飲む人や甘いものが好きな人は、カリウムの量が少なくなっている恐れがあります。また、血糖値の低い人や、低炭水化物食でダイエット中の人もカリウムが減っているかもしれません。反射が鈍くなったり、無力感を覚えたりしたら注意が必要です。
カルシウム(Ca) 骨や歯を丈夫にすることで知られるカルシウムは日本人に不足しがちなミネラル。カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなるだけでなく、神経がうまく働かずイライラしたり、筋肉の収縮がうまくいかず力が入らなかったり、血液の凝固に関与しているので出血しやすくなったりします。 しかし、カルシウムはカルシウムだけとってもだめ。カルシウムの吸収・利用を促すビタミンDや、マグネシウムをあわせて取ることが必要です。マグネシウムが不足すると、血中のカルシウムが減るだけでなく、カルシウムが骨にならなくなります。また、リンはとりすぎるとカルシウムの吸収を悪くします。カルシウムとマグネシュウムは2対1、カルシウムとリンはだいたい1対1のバランスで摂取するのが好ましいです。
クロム(Cr) クロムはインシュリンと一緒に糖の代謝を行います。そのため糖尿病の予防に役立ちます。また、必要としているところにタンパク質を運んでいくのを助けたり、高血圧を予防したりします。 欠乏すると、糖尿病や高血圧、動脈硬化、成長障害などの症状が現れることがありますが、1日の適正摂取量は35μgと微量ですので、普通の食生活を送っていればまず不足の心配はありません。
マンガン(Mn) マンガンは、骨・肝臓等の酵素作用を活性化する働きがあり、骨の生成を促進し、炭水化物や脂質の代謝を行う上で重要な役割を果たし、エネルギー作りに関係して働いています。ほかにも、細胞表面を保護する働きや、生殖および中枢神経系が正常に機能するために重要な働きがあります。 マンガンが不足すると、骨の発育不良や糖尿病、性ホルモンの合成能力が低下、生殖腺機能障害などが起こります。しかし、マンガンは海藻類や緑黄色野菜、ナッツ類などの食品に豊富に含まれているので、不足することはまずないので、心配はほとんど要りません。しかし、カルシウムとリンの多量の摂取はマンガンの吸収を妨げるので、牛乳を多量に飲んだりする人は少し注意が必要です。 鉄(Fe) 女性に多い貧血、これは鉄の摂取不足が原因であることが多いです。鉄欠乏性貧血が起きると、動悸、息切れ、食欲不振といった症状があらわれます。また、粘膜の免疫力も低下するので、口角炎や舌炎などになります。 女性は月経によって、男性よりも多くの量の鉄を失うので、たくさん鉄を摂取する必要があります。鉄はビタミンCやタンパク質と一緒に摂取すると吸収が高まり、反対にリンは吸収を妨げます。
コバルト(Co) コバルトは、他のミネラルと違って単独で働くのではなく、ビタミンB12の構成成分として存在するミネラルです。体には、コバルトを利用してB12を作る能力はありません。しかし、わずかのミネラルとしてのコバルトの存在は、B12などの働きに必要で、骨髄の造血機能に不可欠で赤血球・血色素の生成に関係します。コバルトが欠乏すると、貧血、筋力低下などの症状があらわれます。
銅(Cu) 銅は、ヘモグロビンと鉄を結びつけるのに必要なミネラルです。銅が不足していると、たとえ鉄が十分にあっても結合できずに貧血になってしまいます。 銅は酵素の構成成分でもあります。その一つの抗酸化酵素は、過酸化脂質の生成を抑制し、心筋梗塞を予防します。また、別の酵素はコラーゲンの生成やメラニン色素の生成に必要です。 過剰症はほとんど心配いりませんが、銅の摂りすぎは体内の亜鉛の量を減少させ、不眠症、抜け毛、月経不順、鬱病の原因となります。
亜鉛(Zn) 亜鉛は体内の一連の作用が能率的に流れるのに必要なミネラルです。亜鉛にはいろいろな効能があり、タンパク質を合成して細胞分裂を正常に行ったり、インシュリンの形成を助けて血糖値を下げたり、生殖器官の発達に重要な役割を持ったり、活性酸素の働きを抑制してガンや老化を予防したりします。また記憶力にも大きく作用します。 ビタミンB6を多量に摂る人やお酒・タバコの多い人、ストレスの多い人、糖尿病の人は亜鉛の必要量が増えます。また、亜鉛はビタミンA、カルシウム、リンと一緒に摂取した時に最も良い働きをするので亜鉛の摂取量を増やしたときにはビタミンAの摂取量も多くしましょう。
セレン(Se) セレンはビタミンEなどといっしょに働き、より大きな効果を生みだします。ビタミンEもセレンも抗酸化作用があり、酸化による老化や組織の硬化を予防したり、もしくはそれを遅らせたりします。セレンはビタミンEとの相乗効果により、ある程度ビタミンEの代わりもでき、ビタミンEの場合と同様、セレンが不足すると過酸化脂質などができるために動脈硬化や器官の老化が起こります。更にビタミンCの寿命を10倍にすると言う文献もあります。 セレンには有害金属と結合してその毒性を消してしまう働きもあり、体内に入ってしまった有害金属、水銀、カドミウムの働きを封ずることが期待できます。
モリブデン(Mo) モリブデンは体が鉄を使うのに必要な酵素の主要な構成成分で、貧血を予防する効果があります。また、炭水化物と脂肪の代謝を助けており、全般的な健康を促進しています。 モリブデンは重要なミネラルですが、摂取量が微量なので不足の心配はまずなく、欠乏症も特に知られていません。しかし逆に、その微量の摂取量のため容易に過剰に摂取しやすく、銅欠乏症という過剰症が引き起こされたりします
ヨウ素(I) ヨウ素は、代謝をコントロールしている甲状腺ホルモンを作る主要構成成分です。そのため、ヨウ素は余分な脂肪を燃焼させて減量を助けたり、成長を促進したり、精神を敏活にしたり、髪・爪・皮膚・歯の健康を助けたりします。不足すると、脱毛や皮膚の異常、体力の低下、成長障害などの欠乏症が引き起こされます。特に妊娠中の女性が不足すると、死産や流産を招いたり、精神障害を持った子供が生まれる確率が高くなります。また、甲状腺腫も起こりますが、これはヨウ素を過剰に摂取しても起こります。 ヨウ素は海藻類に多く含まれ、海の幸を良く食べていれば不足することはまずありません。
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