
インスリンは血糖値を下げるホルモンです。
糖尿病の患者さんに使用します。
「なぜインスリンを注射すると血糖値が下がるの?」
と気になる方も多いでしょう。
インスリンは血液中を流れているブドウ糖を
全身に存在している細胞の中に入れる作用があるのです。
血糖値は血液中を流れているブドウ糖の量を数字で表したものです。
ですからインスリンによって血液中のインスリンが細胞の中に移動すれば血糖値は下がります。
血液中のブドウ糖の量が減るわけですから。
インスリンは血液中のブドウ糖を細胞の中に移動させるだけではありません。
他にもインスリンは血液中を流れているカリウムを細胞の中に入れる作用があるのです。
カリウムも血糖値のように血液検査で調べることができます。
もし血液検査でカリウムの数値が高いならインスリンを注射することで
正常な値に戻すことができます。
ただインスリンによってカリウム以外に血糖値も下がってしまい
最悪低血糖で死亡してしまう危険性があります。
そのため、単純な高カリウム血症で血糖値が正常な場合には
インスリンとブドウ糖を一緒に注射することで
高カリウム血症を改善しつつも、血糖値は正常な状態のまま維持することができるわけですね。
最後にまとめますと
インスリンは、膵臓から分泌され血糖値を下げることが知られていますが
カリウムを下げる作用も持ちます。
これは、カリウムを細胞内に移動させる働きをするため
血液中の濃度を下げるということになります。
糖尿病性のケトアシドーシスなどの状態に高カリウム血症が見られることがあります。
インスリンが低値になり糖尿病になると
カリウムが細胞外へ移動し血液中濃度を上昇させてしまうのです。
そこでインスリンを使用することで、
血液中のカリウム濃度を下げることができます。
こちらも参考に!⇒インスリンが分泌されるメカニズム
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