糖尿性腎症 腎機能 回復

「ニューイングランドジャーナル」の論文とは?
論文の題名は「膵臓移植後、糖尿病性腎症は改善する」と言います。
その内容は、
 
イタリア人医師とアメリカ人医師が協力して、
かなり進行した糖尿性腎症の患者さん(すべて1型の糖尿病)8名に対して、
膵臓(すいぞう)移植を行い、5年、10年後に腎生検を行って
腎病変、腎機能について診たものです。
その結果に世界の医療関係者が目を見張りました。
すべての症例において膵臓移植をして、血糖値が正常となった後、
5年後の生検では腎病変の進行が止まっており、
10年後の生検においては、ある程度の回復が診られたのです!!


皆さんご存知のように、
糖尿病とは、血液中の糖をコントロールするホルモンの「インスリン」の分泌がない(1型)、またはインスリンがうまく働かない(2型)ことにより、
血液中の糖の濃度が上昇することにより、様々な病変を引き起こす病気です。
インスリンを分泌する膵臓が何らかの原因で上手く働かなくなったことがそもそもの原因ですから、膵臓移植によってインスリン分泌が正常になり、血糖値も正常になるというのは自然です。
 
世界中の医師が注目し、驚いたのは、血糖値が正常になれば、
「糖尿病性腎症は改善する」という、
これまでの常識を覆す事実が起こったことに対してです。
 
腎臓そのものが悪いわけではない糖尿病性腎症
腎臓は血液中の老廃物を濾過し、必要な成分は体内へ戻し、
老廃物はおしっことして排出します。
濾過を行うのは、腎臓にある糸球体という毛細血管の集まりです。
 
高血糖状態が続くと、血液中の糖とタンパク質が結合して血管の内皮細胞を傷つけていきます。
障害は、先ず細い血管から進行し、目や心臓、脳の毛細血管からやられていきます。
そのことにより、「網膜症」、「心筋梗塞」、「脳梗塞」が引き起こされます。
 
腎臓の場合も同様に、毛細血管の集合体である糸球体がやられるのが、
糖尿病性腎症です。
 
一度糸球体が悪くなると、糸球体の濾過機能は低下し続けるため、
腎機能の回復は困難であると考えられてきました。
 
ところが、先ほど紹介した「膵臓移植後、糖尿病性腎症は改善する」
の論文により、
糖尿病の症状である高血糖症状が改善されれば、
腎機能も回復する可能性が高いということが分かりました。
 
出来れば、糖尿病により腎機能が侵される前に治療するのが最善ですが、
かなり進行した場合でもしっかり治療すれば回復の見込みがあるのです
http://jinnzoubyou.com/entry91.html

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