オーリングテスト | 疑似科学とされるものの科学性評定サイト
www.sciencecomlabo.jp/alternative_medicine/o-ring.html
2018/10/05 – O-リングテスト(以下、オーリングテスト)とは、大村恵昭氏によって考案された代替医療の診断法、および自己啓発の一種である。正式名称をバイ・デジタルO-リングテストという。 自分の親指と人差し指で輪を作り、その輪が切れないように指 …
O-リングテスト(以下、オーリングテスト)とは、大村恵昭氏によって考案された代替医療の診断法、および自己啓発の一種である。正式名称をバイ・デジタルO-リングテストという。
自分の親指と人差し指で輪を作り、その輪が切れないように指に力を入れる。次に、他の人がその輪を力を込めて引っ張る(輪を作っている側は指に力を込めて抵抗する)。このとき、輪が切れるのならば身体のどこかに不調がある。
平易に説明すると、オーリングテストのやり方はこのようなものであり、これにより身体の不調を診断することができるとされる。他にも、処方する薬剤が本当にその人に“合うかどうか”などの適合性の判定にも使えるとされる[1] 。また、オーリングテストによって「運命」を測定できるとする言説 もあり[2-3]、その主張は氾濫状態にある。
本項では、オーリングテストの言説、つまり、疾患への診断法、薬剤への適合性、運命を鑑定する、などへの評定を行う。なお、オーリングテストの方法論自体は先の大村恵昭氏によって考案されたが、言説(使用法の細かい違いなど、大村氏以外から派生した流派)は前述のとおり乱立している状態である。そのため、大村氏による源流的な意味でのオーリングテストを基本にしつつ、個別の言説についても言及する。まず以下に、大村氏のオーリングテストの具体的な検査法と解釈を紹介する。
バイ・デジタルO-リングテスト……
大村恵昭氏がアプライド・キネオロジー(応用運動機能学)や鍼灸理論から着想をえて開発した医学的検査・診断法である。2指でつくった輪(オーリング)による指の強弱で、病気の診断、スクリーニング、臓器の状態の感知(正常-異常)、薬の有効性の有無、薬の適合性などが行えるとされている。
正常―異常の判定は8段階(+4~-4)で示され、臓器の状態を調べるために微弱な磁気刺激、電気刺激を加えることもある。
オーリングテストの結果は従来の西洋医学的、東洋医学的検査法で確認できるとしており、科学的裏付けを重ねた診断精度の高いものであることが謳われている。
繰り返すが、言説としてのオーリングテストは乱立状態にあり、上に挙げた大村氏によるもの以外にも、主張は数多くある。
たとえば、桜宮史誠氏によって確立された「桜宮式オーリング・テスト」では、人間の運命をほぼ完全に捕らえることができるとしている[2] 。その人が健康であり続けることができるかどうか、事業の成功や失敗、家庭運、どういう形で亡くなるかまでわかるとし、あらゆる物体から発せられる振動波、「陰波」と「陽波」に対して人体をセンサーとして同調させ、情報を得ることができるとしている。
ほかにも「高次元オーリングテスト」や、カラーセラピー理論をオーリングテストと足し合わせたものなど、類似した主張は多い。そのため、語句概念を厳密に定義することは困難だともいえるが、大村氏による方法論を基本的な情報とし、評定記述を行う。