http://diabetes-supplement.diet03.com/diabetes-medicine/ より~
糖尿病になるとインスリンという薬しか無いと思っている方も多いのではないでしょうか?そういう私も糖尿病の薬はインスリンしか無いと思っていました。
しかし病院にいって処方される糖尿病の薬はインスリンだけではありません。どんな薬があってどう異なるのでしょうか?
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糖尿病の薬は5タイプ
糖尿病の薬は大きく分類すると5つのタイプにわかれます。
メインはインスリンになりますが、2型糖尿病でインスリンがいきなり処方されることは稀です。むしろそれ以外の4種類の薬が処方されることが多くなっています。
インスリンは元々は膵臓の特定の細胞(膵臓のランゲルハンス島β細胞)から分泌されるホルモンであり、糖尿病はインスリンの分泌不足かインスリンが効かない(効きにくい)状態になっているものです。
であればインスリンを増やしたりインスリンの効果を高めるか、インスリンに依存せずに糖を減らすか、いずれかの方法になります。
そのため下記の4つのタイプの薬が用意されています
- インスリンの効果を高める薬
- インスリンの分泌を促す薬
- 高血糖を抑える・糖の吸収を抑える薬
- 糖を排泄して血糖を下げる薬
上記4つのうち、薬によっては2つの効果があるものもあります。またいくつかの薬を組み合わせて使う場合もあります。糖尿病の症状には個人差があるためどれを使うかは医師が最終的に決定しますが、当然薬なので副作用もあります。だから糖尿病になってしまって薬を飲むようになったら医師と相談しながらどの薬を使っていくか決めることが大切です。副作用は医師ではわからないところもあるので副作用かな?と思う症状が出たら医師に相談することも大切です。
インスリンの分泌を促す薬
インスリンの分泌を促す薬は主に3種類があります。
- インクレチン関連薬
- スルフォニル尿素薬
- 速攻型インスリン分泌促進薬
インクレチン関連薬
インクレチン関連薬は2つあります。
- DPP-4阻害薬(飲み薬)
- GLP-1受容体作用薬(注射薬)
比較的最近から使われるようになった薬です。インクレチンも体内で分泌されるホルモンで腸管から分泌されるホルモンの総称です。その中の1つがGLP-1というホルモンでインスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島β細胞に働きかけてインスリンを分泌させる役割があります。
その特徴を活かして作られたのがGLP-1受容体作用薬となります。しかしGLP-1は腸管から分泌されたらすぐにDPP-4という酵素によってほとんどが分解されてしまいます。そのためDPP4阻害薬でDLP-1の分解を防ぐことでインスリンの分泌を促すGLP-1の特徴を活かすことになる訳です。
インクレチン関連薬のメリットは単体で使用する場合は、低血糖になりにくいことです。糖尿病の薬は低血糖を起こしてしまうこともあります。低血糖になってしまうと酷い場合は卒倒してしまう場合もあります。
しかしGLP-1受容体作用薬は吐き気は便利・下痢等の副作用が出る場合があることが確認されています。またインクレチン関連薬は他の薬と併用することで低血糖になる場合もあります。また長く使うことで効きにくくなることもあります。
参考
ここが知りたいインクレチン関連薬
- 著者寺内康夫
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- 出版日2013/05/01
- 商品ランキング576,391位
- 単行本195ページ
- ISBN-104498017927
- ISBN-139784498017924
- 出版社中外医学社
スルフォニル尿素薬
スルフォニル尿素薬はSU薬とも言われ糖尿病の薬としては非常に長く使われている薬です。今でも多く処方されています。膵臓のランゲルハンス島β細胞にインスリンを分泌するチカラが残っていない場合は処方されませんし、効果もほぼありません。膵臓のランゲルハンス島β細胞を刺激してインスリンの分泌を促す薬です。
服用から最大で24時間保つので効果は高いのですが、反面低血糖になる可能性もあります。DPP-4阻害薬はあくまでもブドウ糖があるときだけに働くのに対してスルフォニル尿素薬はブドウ糖が無くてもインスリンの分泌を促すため空腹時血糖値が高い人で無ければ処方されることはあまり無いと言えます。
また副作用として食欲が出てしまう、体重が増えてしまうというというものがあります。また膵臓が疲弊することもあります。しかし古くから使われている薬だけにいろいろな研究もされていて安心して使える薬にはなっています。
速攻型インスリン分泌促進薬
グリニド薬とも言われます。この薬も膵臓のランゲルハンス島β細胞を刺激してインスリンを分泌させる効果を持っています。ただし先に挙げた薬2つに比べて効果の継続期間が2~3時間と短くなっています。そのため食後血糖値の急激な上昇を抑える場合によく使われます。
食後血糖値の急激な上昇を抑えるために食前に飲むものなのですが、飲むタイミングを間違えると低血糖になる危険性もあります。
ここまでのまとめ
- インクレチン関連薬及びスルフォニル尿素薬は空腹時血糖値が高い人が使う傾向になる
- 速攻型インスリン分泌促進薬は食後血糖値が高い人が使う傾向になる
- インクレチン関連薬及びスルフォニル尿素薬は効果が持続しやすい
- 速攻型インスリン分泌促進薬は効果のある時間が短い
それぞれ糖尿病の特徴や進行状況、その人の特徴や体調によって使い分けるものでどれが絶対に正しいというものではありませんのでご注意ください。
高血糖を抑える・糖の吸収を抑える薬
糖尿病は高血糖(血糖値が高い)な状態です。だから高血糖を抑える必要があります。高血糖を防ぐには糖質を抑えれば良い訳ですが、体内で糖を吸収しなければ高血糖にはなりません。そこで考えられたのが糖を身体に吸収しないようにしてしまうことです。糖尿病の薬の中には身体への糖の吸収を抑える薬もあります。
また高血糖を抑える薬もあります。
速攻型インスリン分泌促進薬
これは先にも紹介していますが、食後の血糖値の上昇を抑えると言う意味合いでこちらの高血糖を抑える薬にも分類されます。効果が短い分高血糖を抑えるには便利な薬になっています。
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI薬)
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI薬)は糖の消化・吸収を促すα-グルコシダーゼという酵素の働きを抑えて腸管からブドウ糖が吸収されるのを抑えたり遅らせたりする薬です。糖を摂取しても吸収されずに排出されれば高血糖にはなりにくいということですね。
なので服用の仕方としては食事の前に飲むことになります。
ただ副作用もあり糖の吸収を抑えるときにガスを発生させるためお腹が張る、おならが出やすくなるということがあります。また下痢になる場合もあります。しかし徐々に改善されていきます。
この薬の良いところは境界型糖尿病にも有効なことです。ただし境界型糖尿病の方が誤った飲み方をしてしまうと低血糖を起こすこともあるので注意が必要です。
境界型糖尿病と診断され、不安な方は医師に相談して服用してみるのも良いかもしれませんが、境界型糖尿病の場合は出来れば普段からの食生活を改善した方が良いでしょう。
ビグアナイド薬(BG薬)
この薬は肝臓でブドウ糖が作られるのを抑えたり、腸管からのブドウ糖の吸収を抑えて血糖値が急激に上がらないようにする働きがあります。またインスリンの効きをよくしてブドウ糖が体内で使われるのを促進して血糖値を下げる効果もあります。
また食欲を抑える効果もあるため肥満な人、食べ過ぎてしまう人にも効果があります。肥満で2型糖尿病が多いアメリカではよく使われる薬です。
ただ副作用もあり吐き気や下痢、倦怠感や筋肉痛をおこす場合もあります。
糖を排泄して血糖を下げる薬
現在のところ、SGLT2阻害薬として糖を排泄して血糖を下げる薬があります。
SGLT2阻害薬
2015年に登場した薬で物凄く新しい薬です。
腎臓で尿が作られる時に分泌されるタンパク質がSGLT2というものです。尿が作られる過程の尿の原液に含まれるブドウ糖を再び血液に吸収させようとする働きがSGLT2にはあります。
糖尿病になると尿に糖が多くなりますが糖尿病になるとSGLT2の活動が間に合わないために尿に糖が多くなりますが、これが糖尿と呼ばれる所以にもなっています。このSLGT2の活動を阻害して再び糖を吸収させることなく尿と一緒に糖を排出させてしまうのがSGLT阻害薬です。
ただし副作用もあります。頻尿・多尿になるのが一番ですが、その結果脱水症状を起こす可能性も懸念されています。水分の充分に取ることが大切になります。また皮疹が出るということも報告されていますし、感染症(尿路感染症等)も報告されています。また低血糖を引き起こす可能性もあります。
主に若く太っている方でついつい食べ過ぎてしまう人で血糖値が高い人に向いていると言えます。
インスリンの効果を高める薬
インスリンの効果を高めることが出来れば当然、糖尿病は改善されます。
ビグアナイド薬(BG薬)
糖の吸収を抑える薬でも紹介しましたが、その中で書いている通りインスリンの効きをよくしてブドウ糖が体内で使われるのを促進して血糖値を下げる効果もあります。しかし副作用もあるので注意が必要な薬にもなっています。
チアゾリジン薬(インスリン抵抗正改善薬)
この薬はインスリンの効きをよくするための薬となっています。
そしてチアゾリジン薬は血液中のホルモンであるアディポネクチンを増やして肝臓や筋肉での脂肪燃焼を促してくれ、更に肝臓でブドウ糖が作られるのを抑制したり血液中のブドウ糖が筋肉や脂肪で利用されやすくするのを助ける作用まであります。凄く効果がありそうですよね。
反面副作用もいろいろとあります。1つが体重が増えることです。そして水分を体内に貯めやすくしてしまうため、むくみやすくなります。結果心不全の危険性がある人には心臓に負担がかかるため使えないこともあります。
また女性だけですが骨粗しょう症になる可能性も指摘されており、1年に最低1回は骨密度を計測することを勧められます。更に肝障害が発生する可能性も指摘されています。
使う薬は人によって違う!大切なのは医師との話し合い
糖尿病で使われる薬を紹介しましたが、どれが絶対に正しいというものは無いということは書いてある内容からも想像出来ますよね。だから大切なのは医師との話し合いです。副作用の症状が出たらきちんと医師に相談すること、薬があるからと油断せずに定期的な検診を受けることが大切です。
ただ中にはきちんと考えてくれない医師もいます。私の場合、糖尿病だと診断した医師が言ったセリフは「糖尿病ですね。食事に気をつけて運動をするようにしてください、半年くらいしたらまた検査に来てください」、たったこれだけでした。本当にこれだけなんですよ。びっくりしますよね。
初めて糖尿病だと診断されて一瞬で診察を終わらせようとするその姿勢には驚きました。いくら混雑している病院だからといってこれだけで終わらせてしまう医師がいることに。
当然、それだけで納得出来なかったのでいろいろ質問したのですが、嫌々な態度でしょうがなく答える程度で、なんか凄く小馬鹿にされた態度を取られてもう少し怒鳴りそうになりました。
こういう医師がいることも事実なので医師に満足出来ない場合はきちんとセカンドオピニオンを受けるようにしてください。