ヒトの鎖骨は、胸骨と肩甲骨を連結する事で肩構造を支持し、また各種筋肉の起始基盤として機能する。ウマ、イヌ、ウシ、ゾウの様な走行性の哺乳類等では退化している場合も多い。鎖骨がないといわゆる抱きつく所作(前脚を内側に曲げ保持すること)が困難で鎖骨のない動物は木登りができないことから、早期に草原に進出した動物は長距離移動に適応して鎖骨が退化し、長期間森林に生息した動物には鎖骨が残っているのではないかと考えられている。鳥類では左右
の鎖骨が癒合し、暢思骨または叉骨(en:Furcula)と呼ばれる。
「鎖骨」という名称は、古代中国で脱走を防ぐために囚人の体に穴を空けて鎖を通した場所がこの部位であったことに由来する[要出典]。別名、「巨骨」と呼ばれ、ここにある経穴も巨骨穴といわれる。
ヒトの鎖骨は、人体の中で最も折れ易い骨であり、肩に加わる衝撃を吸収するための、クラッシャブルゾーンの役割を果たしている。こうした特徴に着目し、3点式や4点式のシートベルトや命綱などが開発されている。
鎖骨と関節する骨[編集]
内側端で胸骨と関節し[1]胸鎖関節をなし、外側端で肩甲骨と関節し[1]肩鎖関節をなす。
鎖骨から起始する筋肉[編集]
鎖骨に停止する筋肉[編集]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 『分担解剖学1』 金原出版、東京都文京区、2000年11月20日、第11版第20刷。ISBN 4-307-90021-0。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- Terminologia Anatomica(1998)に基づく解剖学 系統解剖学 骨格系 鎖骨 – 慶應医学部解剖学教室 船戸和弥