http://novtrend.com/3305.html より~
尿検査の項目
尿検査の項目に入る前に、尿がどのように作られているのかについて簡単にご説明しておきます。
私たちが食事をすると、その栄養は腸を通って酸素とともに血液に変わりますが、その血液は腎臓へと流れていきます。腎臓ではその血液をろ過(溶かす・分解するといった解釈)して体にとって必要なものとそうでないものと分けます。そして、尿として出される成分は尿管を通って膀胱へと届き、尿道から排泄されます。
この流れを把握しているのとしていないのとでは、これからお伝えすることへの理解度が変わってきます。
では本題に入りますが、代表的な尿検査の項目について見ていきます。
尿蛋白(にょうたんぱく)
この検査では、その名の通り尿に蛋白=たんぱく質が含まれていないかを確認するわけですが、正常であれば尿に多くの蛋白は含まれないので、必要以上に多かった場合に陽性となり再検査の対象となります。尿蛋白の判断基準となる数値は、陰性15mg/dl以下(-)・擬陽性15~29mg/dl(±)・陽性30~99mg/dl(+)・陽性100mg/dl~(+2)とあります。陰性以外は全て再検査になりますが、食事や運動などによって変動していることもあるので陽性であっても問題がないこともあります。陽性の時は腎臓に疾患があることを示しますが、蛋白以外に赤血球も見られる場合に腎臓病を疑われますので、恐れず再検査を受けるようにしましょう。
尿糖(にょうとう)
こちらも尿に糖があるかどうかを調べるわけですが、正常であれば尿に多くの糖は含まれません。それは腎臓の中にある尿細管(にょうさいかん)というところで糖を必要なものとして再吸収してくれるからです。尿蛋白同様に陽性と診断されれば再検査の対象となります。
尿ウロビリノーゲン
こちらの検査は、肝臓や胆嚢(たんのう)に異常がないかを診断します。ウロビリノーゲンとは古くなった赤血球やコレステロールなどが肝臓でビリルビンになり腸内細菌で生成される物質のことを言います。その物質の約20%が再びビリルビンになり、その一部が尿として排泄されるので正常値は擬陽性(±)とされています。
尿潜血(にょうせんけつ)
尿の中に血液が多く混じっていないかを確認する検査です。健康体の人の尿であっても血液は混じっています(肉眼では確認できません)が、その量が多いと腎臓や膀胱・尿管・尿道などに異常がある診断されるので結果が陽性の場合は再検査の対象となります。
尿比重(にょうひじゅう)
尿の中に含まれている水分以外の成分(尿素や塩化ナトリウム、老廃物など)がバランスよく排泄されているかを確認する検査です。尿は水分と一緒に老廃物などを一緒に排泄してくれますが、その濃度を調節しているのが腎臓の働きです。正常値は1.010~1.030とされているのでそれ以下でもそれ以上でも再検査対象となります。
尿pH
pHとは水素イオン濃度のことで、尿が酸性かアルカリ性かを確認する検査です。健康体の人は弱酸性で、基準値6.5前後と診断されます。6.0以下は酸性尿で糖尿病や痛風になる可能性があり、7.5以上になると尿路感染症や嘔吐・過呼吸になります。酸性の場合は野菜や海藻類、アルカリ性の場合は肉類が適しています。
尿沈渣(にょうちんさ)
尿を遠心分離器にかけて沈殿してきた赤血球や白血球などの成分を顕微鏡で確認する検査です。腎臓でつくられる尿ですが、排泄されるまでの尿路や膀胱に混入物などがないか確認して、腎臓や尿路に関する病気を早期発見します。この検査は尿蛋白・尿糖・尿潜血で陽性が出た場合にのみ行われます。