梅干しが腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らす

梅干し

日本の伝統食である梅干しは、食中毒を予防する効果が高く、お弁当の定番として昔から重宝されています。梅干しは、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす働きにも優れたものがあります。さらに詳しくお伝えします。

梅干しには悪玉菌を減らす成分が豊富

食中毒を予防する効果が高いことで知られていますが、これは梅干しには、抗菌力の強い成分が豊富に含まれているためです。
特に梅干しには、クエン酸をはじめ、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、カテキン酸などの有機酸が非常に豊富に含まれています。これらの有機酸によって、腸内の悪玉菌は強烈なダメージが与えられ、その数を減らすことになるのです。
また、有機酸は腸を刺激し、ぜん動を活発にする働きもあります。その働きによって、便通がよくなり、腸内に滞留している腐敗便や有害物質を速やかに便といっしょに排出されます。このことは、腐敗便をエサにして、増殖する悪玉菌にとっては大きなダメージであり、やはりその数を減らさざるを得なくなります。
腸内の悪玉菌の勢力が弱まれば、その分、善玉菌は力をつけることができるため、善玉菌はその数を増やすことができます。

梅干しには善玉菌を増やす成分も含まれている

梅干しには、不溶性の食物繊維と水溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。水溶性の食物繊維は、腸内細菌の善玉菌のエサとなり、その増殖を助けます。
不溶性の食物繊維は、便通をよくし、腐敗物質を絡めとって便と共に排出するなど、腸内を悪玉菌が増殖しにくい環境に整えることで、間接的に善玉菌を増やす役目を果たしてくれます。

梅干しは万病に効く?

梅干しには、クエン酸やコハク酸などの有機酸のほかにも、梅リグナンなどの健康によい成分が含まれています。
これらの成分によって、食中毒予防や整腸効果に加え、疲労回復、インフルエンザ予防、胃がん予防、糖尿病予防、高脂血症予防、動脈硬化予防などの健康効果が実証されています。
まさに万病に効くといっても過言ではない梅干しですが、より高い効果を望むのであれば、昔ながらの製法で漬けられている梅干しがベストではあるようです。

ただし、食べ過ぎに注意

梅干しには、塩分が非常に多く含まれています。食べ過ぎてしまうと、塩分の過剰摂取によって、高血圧や腎臓疾患を引き起こす心配が出てきます。ちなみに、塩分控えめなどの低塩タイプの梅干しは、添加物が含まれているものも多く、それらの添加物によって腸内細菌全体にダメージを与える場合もあるため、その点にも注意してください。
梅干しは、 生の梅を天日干しなどで乾燥されているため、栄養が凝縮されています。適量は1日一粒で、一粒でも十分な効果が望めます。
同じく梅の加工食品である梅肉エキスは、同量の梅干しに比べて、有機酸や梅リグナンなどの有効成分がおよそ30倍以上も含まれていて、ごくごく少量でも絶大な効果が期待できます。塩分は含まれていないので、塩分が気になる場合は、梅肉エキスの方を摂取されてもよいかもしれません。