糖尿病性神経障害を回避せよ!

-第3回 神経障害の治療って?

治療の基本は、血行をよくすること

https://dm.medimag.jp/column/46_1.html より~


糖尿病性神経障害の治療の基本は、神経細胞に蓄積した余分な物質(ソルビトールなど)を取り除き、血流をよくして神経細胞に酸素や栄養がよく行きわたるようにすることです。そのためには、血糖のコントロールを良好に維持することが非常に重要です。
症状が軽い初期の段階であれば、血糖値を正常化することで、神経障害の諸症状を改善し、症状が消失することは少なくありません。では、治療薬以外で症状を改善する方法を見てみましょう。
●血糖コントロールのための運動療法
一般的には糖尿病の予防や改善のために運動をするようにアドバイスされると思います。しびれなど末梢神経障害を有する人でも、運動することで下肢の血流の改善が期待できるため、軽症例に限って許可されます。
この“軽症例に限って許可”というのは、足に外傷を認める場合や高度の糖尿病性自律神経障害を認める場合では、運動中の突然死の危険性があり、原則として運動は禁止されているためです。
さらに、長期間の血糖コントロール不良な人では、急速な血糖改善により痛みを起こすという、治療後神経疼痛を呈することがあります。ですから運動療法を始める前には、必ず主治医と相談し、健康状態を把握したうえで、どのような運動をどれくらい行ったらよいのかを確認しておく必要があります。
●禁酒
飲酒の問題点として、飲酒そのもののエネルギーによる血糖の乱れや、飲酒による食事量の乱れ、さらに血液中の脂質の上昇、低血糖の問題があげられます。
また習慣的に飲酒を続けていると、ビタミンB群の欠乏などから足のしびれや痛みが出現することもあるため、糖尿病性神経障害の症状を悪化させる恐れがあります。
●禁煙
喫煙は、血管を収縮させるため血流が悪化します。血流が悪化すれば、神経へ栄養が行きわたらなくなり、神経障害を悪化させてしまいます。
また喫煙は、血糖値を上げる作用のあるホルモンの分泌を促し、インスリンの効き目を悪くして糖尿病を悪化させるという報告もあります。もし糖尿病性神経障害と診断されているにもかかわらず、喫煙しているのであれば、1日でも早く禁煙するべきです。
●入浴・手足のマッサージ
家庭で手軽に血流の改善ができる方法として、ぬるめのお湯にゆっくり入浴することや軽いマッサージをすることなども有効です。痛む場所を温めると良くなることが多いのですが、湯たんぽや電気アンカ等の使用は、低温やけどを起こす場合があり危険ですから注意しましょう。また、靴下をはいて寝ることをお勧めします。


 

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