糖尿病性腎症 蛋白尿 メカニズム

 

はじめに~これまでの糖尿病性腎症発症の研究は”糸球体”中心だった~

糖尿病は現代社会のもたらす最大の生活習慣病で、国内患者数は約1,000万人にも達します。糖尿病から生じる腎臓の障害は糖尿病性腎症と言い、透析導入の最大の原因で、その撲滅は医学の最大の課題の一つと言われています。腎臓は、尿を作り体の中の老廃物や余分な水分を排泄する働きを持ちます。

腎臓で生成される尿を作る場所は、腎臓に流れ込む血液が毛細血管のかたまりとして糸くずのような構造となり、濾過器に似た働きをしている糸球体という部分です。この濾過器が目詰まりすれば尿は生成されなくなり、逆に目の粗いザルのように素通りとなれば蛋白尿となり体の蛋白質が減っていきます。

腎臓にはさらにこの濾過器で濾し取られた尿のもと(原尿)が通る尿細管という部分があります。この尿細管という「尿」の通り道を通って、体外に排泄されます。

すると・・・

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