高カリウム血症 ケイキサレート散

ケイキサレートは腎不全における高カリウム血症に用いられる。
その本体はポリスチレンスルホン酸ナトリウムであり、ナトリウムとカリウムが交換されることで
体内の余分なカリウムを排出する。
インタビューフォームによると
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは吸収されず、胃腸管を通過するにしたがって腸液の陽イオン
と交換するが、特に下部結腸においてカリウムイオン濃度は高く最もよく交換する。したがって、
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは経口投与のみならず注腸投与(ケイキサレート散のみ)にお
いても十分な効果が得られる。反応終了後、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは糞便と共に排泄され、体内の過剰のカリウムが除去される。

と書かれている。
また、
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの陽イオンとの親和性はカルシウム>マグネシウム>カリウ
ム>ナトリウムの順に大きい。

結腸内でカリウムがカリウムイオンとして存在しているので、そこにポリスチレンスルホン酸ナトリウムがくるとカリウムの方が親和性が高いため、ナトリウムとカリウムが交換されてカリウムがポリスチレンスルホン酸カリウムとなって糞便中に排出される。
さらに、マグネシウムやカルシウムを含むものはカリウムよりも親和性が強いため、カリウムよりもこれらが引っ付いてポリスチレンスルホン酸マグネシウム、ポリスチレンスルホン酸カルシウムとなってこれらが排出されてしまうため下剤等の薬効の低下になる。
ケイキサレート散は内服と注腸でも用いられる。
注腸で用いる場合は、成人1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸する。と書かれている。
なぜ、注腸でも用いられるのか?!
鳥居薬品に電話して確認したところ、ケイキサレート散の服用は食後でも、食前でも、食間でもいつでもよいと!食事に関係なく、いつ飲んでもいいとのこと。
食事か少ない人でもこれを服用することで血漿カリウム値が低下すると!!
個人的にレナジェルやカルタンなどの様に食品中のカリウムを吸収させ難くすると思っていたが、そうではなかったようだ・・・・
色々と調べてみたが、、、、
食品中から摂取したカリウムは正常人ならば摂取量と同じだけ体外へ排出されるとのこと!
尿中が90%ほど、便中や汗などで10%ほど。
腎不全になると便中排泄が20~50%ほどになるとか!??
腎機能が低下すると消化管液などに混じってカリウムが排出されるそうな。そのため糞便中のカリウムの量が増えるとのようだ。
人間の体ってのは良くできてるもんで、ここがダメならこっちで!!って言う保険の保険そのまた保険っていくつも他の方法で代用しようとするんだなぁ。
さらに、回腸や空腸で、カリウムは吸収されて、下部結腸では逆に腸管内に分泌されるとのこと。
これで、ケイキサレート散が食事に影響されず、また注腸でも用いられる理由が分かった!!
添付文章で
ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム、スクラルファート、沈降炭酸カルシウム等

本剤の作用が減弱するおそれがある。
と書かれているがこれはどうやらアルミニウム、マグネシウム、カルシウムはカリウムよりもポリスチレンスルホン酸イオンとの親和性が高いためで、これらが引っ付いてしまい本来の効果を得られないためだ。大体1~2時間ぐらい空ければ問題ないとのこと。
チラージンはポリスチレンスルホン酸ナトリウムに吸着されるためで、吸収が低下する。
大体4~5時間ぐらい空ければ問題ないとのこと。んま、チラージンは基本的にいつ飲んでもいいからこれぐらいの時間間隔は特に問題なさそうだ。

あと、ナトリウムとカリウムを交換するのでナトリウムが余分に吸収されることに伴う、血圧上昇や浮腫が生じることがある。